順番を待っている間、それとなく観察していると、20代くらいの若い女性が髪をばっさりと切られていました。美容師は長い髪を持ち上げ、バサバサと勢いよく切り落としていきました。
背中の真ん中くらいまではあった髪が、根元から5cmくらいを残してスルスルとケープを滑り落ちていきました。彼女は鏡をじっと見ていました。目鼻立ちのはっきりとした美人でしたが、不安げな表情で、ケープをまかれた姿は何となく痛々しく見えました。
だいたいを切り終えると、美容師は小さなバリカンを手にしました。彼女の目に涙が浮かびました。
「大丈夫?」と聞きながらも、彼女の髪はどんどん刈られてゆき、最後にはツンツンと立って分け目がつかないくらいのベリーショートになっていました。
彼女の涙をこらえる姿に、興奮しました。